新規就農の思い出【苦痛の水やり】

ぷっこと旦那

新規就農の思い出【苦痛の水やり】
さて、前回予告した畑の水問題について書いてみます。

何度も言いますが、新規就農の為に借りた畑はとにかく悪条件。
石のゴロゴロした段々畑。
借りる時に『水?出るよ(・∀・)』と人に言われて借りたものの、『出る…っちゃ…出るけど…( ゚Д゚)ポカーン』みたいな感じでした。

畑で作物を栽培するにあたり、水は重要。水あげなきゃ、もちろん作物は枯れちゃいます。
ほとんどの畑では井戸を掘っていて、そこから地下水を汲み上げ、作物にあげています。
配水設備も整っていて、大体コックをひねるだけで水が流れます。コックをひねったら、あとは畑に適量水が行き渡るまで、ほおっておくだけです。

借りた畑にも井戸があるにはあったんですが…。
水がない( ゚Д゚)

井戸とは名ばかりの、ただの穴。
コンクリで周りを固めてはあるけれど、普段は水がないただの穴。
そこに、近くの川から水を引き込むんですが、川上までちょっと歩いていって、太い管を川に沈めると、その管を通って川の水が井戸(もとい穴)に少しず~つ貯まっていくというしくみ。

その川も水深が人の足首くらいしかない、小川。
井戸(もとい穴)に水を満たすのも時間がかかります。

で、そこで終りじゃない。
段々畑なので、5枚ほどある畑それぞれに水を送らなきゃいけません。
それぞれの畑に大きい桶(1,200ℓ水が貯まる)を設置。
井戸(もとい穴)からそれぞれの桶に水を送る配管を設置。(旦那がホームセンターで材料を買い、自分で工事した)
更に、その桶から畑に水やりする配管も旦那が自作で設置。

川→大きい管→井戸(もとい穴)→旦那自作の配管→各畑の桶→旦那自作の配管→潅水チューブ→作物
という、非常に手間をかけて毎日水やりしてました。

各桶を水で満たすのに、半日仕事。(ちなみに圃場は合わせて1反=1,000㎡)
しかも段々畑。高低差があります。
上から下までの畑を行ったりきたり。
もちろん、水を貯めるだけしている訳にもいきません。
他の作業をやりつつ、水を貯める→畑に流すという非常な手間。

重ねて言いますが、お金があって設備を整えていれば、この作業がコックひねるだけで済むんです。

業者さんにもよりますし、土地の条件にもよりますが、井戸1本掘るのにかかる費用は50万から。
大体、1m掘るのに○○円。それにポンプ代を追加。みたいな料金設定みたいです。

安定して今も昔もお金はない。
初年度は井戸を掘る余裕はありませんでした。

その後チマチマ頑張って、就農して2年目の秋にやっと念願の井戸を掘りました。
業者さんがとてもいい方で。中古のポンプを探してくれ、運よく7mほど掘っただけで水が出たので、費用は20万くらいで済みました。

めっちゃ、楽(・∀・)アハハ~
旦那が更に、自作でタイマーをつけたりしたので、ほんとにコックひねるだけで水やりできる。
半日かけてた水やり作業からの解放。

ま、それだけ苦労してやっと整えた畑は見事に乗っ取られるんですが。

今振り返って、何を思う?って旦那に聞いたら、『全体を通して話が違うよね。』ってことだそう。

土地あるよ、水も出るよ、で、結局非常に悪条件な圃場。『他にいい土地はないのか?』と相談しても、『もう話が進んでるから、そこでやってもらわんと困る』と冷たい返事。
自己保身のことしか考えてない農業関係者という印象しかありません。

農業外の人はとても親切で、よくしてくれました。
師匠や、ぷっこのパート先の方たち、旦那のアルバイト先の方たち(レストランでバイトしてた)。皆さん、とてもよくしてくれました。

でも残念ながら、農業関係の人には不信感しか残っていません。
この不信感がじわじわとぷっこと旦那を追いつめ、共同経営をするしかないのかな?と思うに至り、共同経営→失敗→離農につながったのだと思います。

農家も結局は1人社長。自己保身に走るのは分かりますが、それで新規就農者はつぶされ、農業は衰退、結局自身の首をしめることになるのに。

もちろん、自己保身だけじゃない農業関係者もいるんですけどね。
どこの世界でも『その世界しか知らない』視野の狭い人が周囲に悪影響を及ぼすものなのかな、と思います。

何か長々と書きました。今回はこのへんで(・∀・)。

コメント

タイトルとURLをコピーしました